おすすめします。法定相続情報証明制度。
弁護士法人Boleroの弁護士小池智康です。
今回は相続手続を行う際にとっても便利な法定相続情報証明制度をご紹介します。
法定相続情報証明制度とは、法務局に相続関係を証明するための戸籍一式と相続関係説明図を提出すると、法務局が内容を確認し、提出した相続関係説明図に認証文を付して交付してくれるという制度です。
上記の法務局の認証がされた相続関係説明図は、銀行・信金などの預貯金の相続手続、保険会社への相続手続、不動産の相続登記に利用できますので、従来のように戸籍謄本の束を提出する必要がなくなりました。
2017年5月29日から運用が開始されており、法定相続情報証明制度という名称を耳にされた方も多いと思います。相続手続の実務の現場では、だいぶ定着してきており、金融機関の相続手続で戸籍を提出すると「法定相続情報証明制度を利用してもらえませんか?」と言われることもあります。
相続手続の経験がない方には、法定相続情報証明制度のメリットは今一つピンとこないかもしれませんが、相続手続の現場では、地味に大助かりです。
例えば、銀行で預金の相続手続をする際、戸籍の束を提出し、担当者がその場で確認してコピーをとります。この時間が20~30分かかります。また、兄弟相続で代襲相続になる場合等相続人が多い場合は、その場で確認することが困難なため、担当者が確認後、不足等があれば連絡がくるという対応になります。
このような作業は思いのほか時間がかかり、その上、金融機関が複数ある場合は、一日で回りきるのは時間的にタイトになります。
更に、不動産の相続登記をする際にも同様に戸籍の原本が必要になりますので、金融機関の相続手続と相続時を同時並行で進めにくく、時間がかかってしまいます。
法定相続情報証明制度は、複数の相続関係説明図(認証文あり)の交付を受けることが可能ですので、複数の金融機関、相続登記の手続を同時に進めることができます。
法定相続情報証明制度は地味な制度ですが、非常に使い勝手がよい便利な制度です。法定相続情報証明情報の申請を弁護士に依頼することもできますので、相続手続が必要な場合は是非ご利用を検討してください。