自筆証書遺言の検認申立てから遺言執行までの全ての手続を弁護士が代理した事例
記載の解決事例は旧法事例となります。
事案の概要
- 子供がない夫婦の妻が死亡しました。
- 妻が作成した自筆証書遺言と公正証書遺言という2通の遺言が存在しました。
- 自筆証書遺言については、検認の申立てをする必要がありましたが、相続人が妻の兄弟姉妹とその子供まで含まれる状況でした。
- 依頼者は預貯金、不動産の名義変更手続の代行も希望していました。
事案の問題点
- この事案では遺言が2つ存在したことから、これらの優先関係を確認する必要がありました。
- 自筆証書遺言に関しては、検認申立てのための戸籍謄本の取り寄せに相当の労力がかかることが予想され、これを相続人自ら行うのは困難であると思われました。
- 遺産には預貯金が複数存在しましたが、遺言による預貯金の名義変更・解約は、金融機関ごとに手続が異なっており、時間的・精神的な負担が大きいと思われました。
対応内容
- 自筆証書遺言の検認申立ては、弁護士が代理して戸籍謄本の収集の外一切の手続を行い、裁判所でおこなわれる検認期日にも同席しました。
- 自筆証書遺言の検認後、この遺言と公正証書遺言の優先関係を検討し、最終的に公正証書遺言が優先すると判断しました。この遺言により夫が遺言執行者に指定されていたことから、夫の代理人として弁護士が遺言を執行しました。
- 遺言執行の具体的内容としては、代理人弁護士が相続人に遺産目録の交付し、続いて、預貯金の名義変更の手続を行い、最後に不動産の名義変更(登記手続)を行うために司法書士を手配しました(登記手続は弁護士の専門外のため司法書士をご紹介します)。
弁護士小池のコメント
この事例は全く紛争性がないため、純粋な相続手続を弁護士が代理した事案です。相続手続は一つ一つの手続は決して難しくはないのですが、預貯金・不動産が複数ある場合、相続人が多数である場合などは、行うべき手続が多いため負担が大きくなります。このケースもまさにこれにあたる事案でした。預貯金の名義変更は事前に手続を確認して段取りを組めば短時間で終わりますが、事前準備なしに窓口に相談をすると何度も金融機関に足を運ぶことになります。 この事案は、弁護士に相続手続を依頼することで手続の負担を軽減できた典型的な事例と言えます。